海外販路開拓に補助金を活用する |新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠
自社の商品を、これまで売っていなかった海外市場へ届けたい。そのために生産体制を整え、現地での販路もつくりたい。そんな計画を考えている企業にとって、補助金は投資の選択肢を広げるきっかけになります。
今回取り上げるのは、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の「グローバル枠」です。海外販路開拓に向けて、国内での設備投資と海外での販売準備をどう結びつけるか。制度の基本と、フランス市場を例にした計画の考え方を紹介します。
01GLOBALグローバル枠は、どんな海外販路開拓に使えるのか
グローバル枠は、自社の製品等を使って新たな海外市場を開拓するために、国内の製造等拠点を強化する取組を支援します。自社が主体となって進める事業が前提です。
ここでいう「新たな海外市場」は、既存事業で対象としていなかった国・地域のことです。同じ国の中で販売先の都市を増やすこととは区別されます。制度の公式概要
たとえば、国内向けに商品をつくってきた企業が、新たにフランスの専門店への販売を目指す。そのために、輸出向けの仕様・品質・供給量に対応できる体制を整える。こうした計画なら、グローバル枠との適合性を検討する余地があります。これは計画の考え方を示す例で、個別の採択や対象経費を保証するものではありません。
「海外で誰に売るか」と「国内で何を整えるか」を、一つの事業計画として考える。これが、この枠を検討する出発点です。
02FUNDING補助率・補助額はどのくらいか
グローバル枠の補助率は2/3、補助下限額は750万円です。補助上限額は従業員数によって異なります。
| 従業員数 | 通常の補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
|---|---|---|
| 1~20人 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21~50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51~100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
特例には別途要件があります。補助事業の実施期間は、交付決定日から14か月以内、かつ採択発表日から16か月以内です。公式の補助率・補助上限額・第1回公募要領・9ページ
補助下限額を踏まえると、ある程度まとまった投資を伴う海外展開が検討の中心になります。補助金の額から設備を決めるより、海外で売上をつくるために必要な投資を先に洗い出すほうが、計画に無理がありません。
03COSTS設備投資と、海外で売るための準備を組み合わせる
グローバル枠では、機械装置・システム構築費または建物費が必須です。あわせて、広告宣伝・販売促進費、海外旅費、通訳・翻訳費なども対象経費の区分に含まれます。公式の対象経費
設備を導入する目的と、現地で商品を届ける方法をつなげて考えることが大切です。たとえば、輸出向けの供給体制を整える投資と、その商品をバイヤーへ紹介する資料・展示会を組み合わせる。国内の準備と海外の営業が同じ目標に向かう計画にします。
展示会への出展や販促物の制作は、広告宣伝・販売促進費として検討できます。ただし、経費ごとに上限や用途の条件があり、一過性の支出が大半を占める計画は対象になりません。展示会出展や営業活動だけで申請する制度ではない点を押さえておきましょう。第1回公募要領・27、31ページ
04PLANフランスに売るなら、設備の先にいる買い手まで考える
たとえば、国内で生活雑貨を製造している企業が、フランスのセレクトショップへの展開を計画するとします。以下は、計画を組み立てるための仮の例です。
最初に整理するのは、「フランスなら売れそう」という期待を、具体的な買い手の姿に変えることです。どんな店が、どんな顧客に、いくらで販売するのか。商品の強みが、既存の品揃えの中でどう伝わるのか。候補店の価格帯や扱うブランドを調べ、提案する理由をつくります。
次に、その販売先へ継続して届けるために、自社で不足しているものを洗い出します。品質を安定させる必要があるのか。注文数や納期への対応が課題なのか。現地の使い方に合わせた仕様が求められるのか。ここから、国内で必要な投資の目的を具体化します。
そして、提案に必要な資料を整えます。商品の写真や背景に加えて、卸値、最低注文数、納期など、バイヤーが仕入れを判断できる情報を用意します。展示会を使うなら、出展前の商談予約と、出展後に誰が連絡を続けるかまで決めておきます。
生産できること、買い手に伝わること、商談後に動けること。この三つがつながって、海外販路開拓の計画になります。
営業の進め方は、フランスで販路を開く営業の進め方でも紹介しています。
05PREPARATION申請前に確認しておきたいこと
グローバル枠には、付加価値の向上や賃上げなど、事業計画で満たすべき要件があります。賃上げ等の要件を達成できない場合には返還が生じ得るため、会社全体の収益・人員計画も確認します。第1回公募要領・11~14ページ
発注の順序も大切です。交付決定前の契約・発注は補助対象になりません。採択後すぐに着手せず、交付決定と事業実施期間を踏まえて日程を組みます。第1回公募要領・55ページ
投資額、自己資金、必要な借入、支払いの時期を並べ、資金の見通しも整理しておきましょう。現地での商談の時期と、設備の導入・稼働時期が合っているかを見ておくと、受注後の対応も考えやすくなります。
また、事業計画は申請者自身が作成する必要があります。外部支援者の助言を受けながら、自社で内容を理解し、実行できる計画をつくることが前提です。第1回公募要領・1ページ
06STRENGTH事業計画とフランスの現地実務を、一緒に考える
SUGARは、フランス市場のリサーチ、提案先の選定、営業資料の準備、現地での商談やフォローを手がけています。また、代表の佐藤航は、補助金申請支援や事業計画づくりにも携わっています。
この二つの経験を活かして、海外展開の構想を、実際に動ける計画へ整理します。
自社の強みがどんな買い手に届くか。必要な投資と、現地で確かめるべきことは何か。どの順番で準備し、商談の結果をどう次の提案につなげるか。事業計画を考える段階から、フランスでの実務まで見通して相談できることがSUGARの強みです。
なお、申請支援費用は補助対象外です。また、公募要領では事業計画作成支援者とそのみなし同一事業者への補助事業の発注・見積もりは認められていません。SUGAR側が計画作成支援に関わる場合も、この制限を踏まえて役割と費用負担を整理します。第1回公募要領・32、54ページ
07NEXT-STEP補助金をきっかけに、海外販路開拓を具体的にする
「国内でつくってきた商品を、新しい海外市場へ届けたい」「輸出を見据えた設備投資を考えている」。そんな段階なら、グローバル枠を活用できる可能性と、現地で売るための準備を一緒に整理してみませんか。
ご相談の際は、商品、これまでの販売国、これから目指す国、検討中の設備投資、希望する時期を、分かる範囲でお知らせください。計画が固まっていなくても、現在地から次の一歩を考えられます。
無料相談から、「グローバル枠を活用した海外販路開拓について」とご連絡ください。フランスでの販路開拓を軸に、事業計画と現地での進め方を一緒に考えます。
※制度情報は2026年9月16日時点の公式概要・第1回公募要領に基づきます。対象事業者や経費の詳細、日程等は、申請時に最新の公募要領をご確認ください。
よくある質問
Q.展示会への出展や海外営業だけでも、グローバル枠に申請できますか?
展示会・営業だけの計画は対象になりません。新たな海外市場に向けた国内の輸出体制強化が前提で、機械装置・システム構築費または建物費が必要です。取組全体と経費の構成を確認します。
Q.すでに海外へ輸出していても検討できますか?
既存事業で対象としていなかった国・地域へ新たに展開する計画なら、検討の余地があります。同じ国の別の都市へ販路を広げるだけで、新たな海外市場に該当するわけではありません。他の申請要件もあわせて確認します。
Q.SUGARへの支援費用も補助対象になりますか?
一律に対象とはなりません。申請書等の作成・提出費は対象外で、事業計画作成支援者やそのみなし同一事業者への補助事業の発注・見積もりにも制限があります。ご相談時に支援の役割と費用を整理し、対象性を確認します。
SITEN — France Market Entry
フランス販路開拓を、現地で動く体制で。
この記事の内容を、パリ常駐チームが実務として代行します。戦略設計から現地商談・成約フォローまで一気通貫。
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SUGAR編集部
フランスでの販路開拓を手がけるSUGARが、代表・佐藤航の補助金申請支援・事業計画づくりの経験も踏まえて構成しています。


